バッチ承認では、ユーザは、より単純なライフサイクルでドキュメントのバッチレビューとバッチ承認を行うことができます。この機能は、バッチオブジェクトおよびバッチ承認オブジェクトライフサイクルを使用して、このプロセスを容易にします。ユーザは、一括ドキュメントアクションの新しいバッチの作成オプションを使用してドキュメントをバッチレコードに関連付けた後、バッチレコードをそれ自体のライフサイクルに送ります。バッチ承認ライフサイクル内の設定済みのエントリアクションは、関連するドキュメントのライフサイクル状態を更新できます。

バッチ承認と状態の変更アクションの比較

状態の変更一括ドキュメントアクションの代わりにバッチ承認を使用する利点は、ドキュメント一式が同じ初期ライフサイクル状態であったり、さらには同じライフサイクルを共有したりする必要がないことです。さらに Vault はバッチが既にターゲット状態にあるドキュメントを含むことも許可します。

ある組織がドキュメントのレビューと承認にバッチ承認のみを使用している場合、管理者は個々のドキュメントライフサイクルのユーザアクションやワークフローを設定する必要がありません。

状態タイプ

バッチ承認は、固有のライフサイクル状態ではなく状態タイプを設定に使用しているため、一回のアクションで様々なライフサイクルのドキュメントを移動することができます。

例えば、VeePharm はバッチオブジェクトレコードで承認ワークフローを実行します。レコードが承認済みへの状態変化を経るとき、そのオブジェクト状態上のエントリアクションによってすべての関連するドキュメント (バッチ内のすべてのドキュメント) が独自のライフサイクルの固定状態 (承認済み使用の承認済みなど) に移動されます。

バッチ承認は、ドキュメントをどの状態タイプにも移動することができます (固定廃版レビュー中など)。アクションが正常に完了するには、バッチ内ドキュメントのすべてのライフサイクルにターゲットの状態タイプに特化した値が必要です。

使用例: eTMF

eTMF では、「機能的な」承認とは異なる集中型のレビューを含む運用モデルを使用する企業があります。このモデルでは、機能的コントリビュータがファイルをアップロードして TMF に送信します。その後、集中型レビューチームが TMF ドキュメントをチェックし、承認または却下の判断を行います。バッチ承認機能を使用して、機能的コントリビュータはドキュメントのバッチを一度に承認用に送信することができ、集中型レビューチームはそのバッチに対応することができます。

バッチの作成

ドキュメントのバッチを作成するときには、最初に新しいバッチオブジェクトレコードを作成してから、ドキュメントをレコードに関連づけます。

ドキュメントを一括追加する方法

バッチの作成一括ドキュメントアクションを使用することで、ドキュメントのグループを単一バッチに追加することができます。

個々のドキュメントを追加・削除する方法

個々のドキュメントを追加および削除するためのオプションが 2 つあります。ドキュメントフィールドを編集するか、またはバッチレコード詳細のドキュメントパネルから、このアクションを実行することができます。

レコード詳細から個々のドキュメントを追加または削除するには:

  1. バッチの詳細ページに進みます。
  2. ドキュメントセクションで、追加をクリックします。
  3. 任意の作業: 特定のドキュメントまたはドキュメント一式を検索します。
  4. チェックボックスをクリアしてドキュメントを削除します。
  5. チェックボックスを選択してドキュメントを追加します。
  6. 閉じるをクリックして検索を終了して、変更を保存します。

ドキュメント情報ページで個々のドキュメントを追加または削除するには:

  1. ドキュメント情報ページに進みます。
  2. 編集をクリックして、ドキュメントフィールドの編集モードを開きます。
  3. バッチ番号フィールドから特定のバッチを削除することで、ドキュメントを削除します。
  4. バッチ番号フィールドに特定のバッチを追加することで、ドキュメントを追加します。
  5. 保存をクリックします。

バッチドキュメントの状態の変更

バッチ承認を使用してドキュメントを新しい状態に移動する場合、ドキュメントに直接アクションを実行することはありません。その代わりに、バッチレコードをオブジェクトワークフローに通すか、または状態の変更ユーザアクションで新しい状態に直接移動します。バッチレコードの状態エントリアクションにより、関連するドキュメントを移動できます。

バッチオブジェクトレコードで表示されるオプションは、ユーザの Vault の設定によります。

例えば、VeePharm の場合、バッチレコードを承認者に送信するワークフローをバッチオブジェクトに含めるように構成されています。承認者が最後のタスクを完了すると、Vault はバッチレコードを承認済み状態に移動し、関連付けられたすべてのドキュメントをそのライフサイクルに対して承認済み状態タイプ (使用の承認済み配布の承認済みなど) に関連づけられた状態に移動します。

ドキュメントライフサイクルの状態エントリ条件

バッチアクションにより、ドキュメントがエントリ条件を含むドキュメントライフサイクル状態に移動される場合があります。この場合、Vault は個々のドキュメントが新しい状態に対してエントリ条件を満たしていることを確認します。ドキュメントがエントリ条件を満たしていない場合、ユーザはドキュメントを更新できません。その代わりに、バッチアクション全体が失敗します。アクションが失敗すると、そのバッチ内のすべてのドキュメントおよびバッチレコード自体は元のライフサイクル状態に戻されます。

バッチライフサイクルの状態エントリ条件

Vault の管理者は、バッチ承認ライフサイクル内の状態にエントリ条件を適用することができ、これにより、関連するドキュメントがすべて特定の状態タイプか、またはどれも特定の状態タイプではないのかをチェックできます。ユーザがそのバッチレコードをそのような状態に移動しようとして、関連するドキュメントの状態が間違っている場合、アクションは失敗します。アクションが失敗すると、そのバッチ内のすべてのドキュメントおよびバッチレコード自体は元のライフサイクル状態に戻されます。

バッチ承認を使用して状態間でドキュメントを移動するとき、ユーザは個々のドキュメントで状態を変更するために正確なロールベースの権限を有している必要はありません。Vault は、個々のユーザとしてバッチレコードを操作するのではなく、「システム」としてこれらの状態変更を実行します。

タイプ権限ラベル制御
セキュリティプロファイルオブジェクト: バッチ: 作成、編集バッチレコードを作成・更新する権限は、バッチの作成一括アクションを使用したり、手動でバッチレコードを作成するために必要です。デフォルトでは、標準の企業管理者システム管理者、または Vault 所有者のセキュリティプロファイルを有するユーザにのみこの権限が付与されています。
セキュリティプロファイルアプリケーション: ライブラリ: 一括更新ライブラリのアクションメニュー、バインダーを表示する権限により、ユーザは一括アクションオプションにアクセスできます。
ドキュメントロールフィールドの編集既存のドキュメントに対してドキュメントフィールド値を更新できる権限により、ユーザはバッチ番号フィールドを編集することができます。

制限

Vault は、ユーザがバッチに未分類ドキュメントを追加しないようにします。

バッチの状態変更は、現在チェックアウト済み、あるいは有効なワークフローにあるドキュメントを更新できません。