EDC から CTMS への FTP 接続機能は、EDC Vault と CTMS Vault 間のクロスドメイン接続を提供します。EDC で取得した被験者ステータスとステータスの日付のレポートを作成することで、CTMS Vault で作業をしながら EDC データを使用することができます。この接続により、CTMS の被験者またはモニタリング対象の被験者レコードから EDC の被験者のケースブックに移動して作業することもできます。

FTP 接続の仕組み

この接続により、Vault EDC は、被験者ステータスとステータスの日付を CSV に抽出し、CTMS Vault に接続し、抽出された CSV を FTP の設定済みフォルダに配置します。次に Vault CTMS は CSV を取り込み、状況に応じて新規被験者レコードを作成するか、レコードを更新します。データ同期は自動で起こり、EDC Vault が CTMS Vault に一日一回更新を「プッシュ」します。

データレコードの同期を使用する

EDC ID フィールドについて

EDC ID フィールドは固有の識別子で、Vault EDC が被験者を正しい施設に関連づけて CTMS Vault にデータをプッシュできるようにします。このフィールドは以下のオブジェクトで使用することができます:

  • 治験
  • 治験実施国
  • 治験実施施設
  • 被験者
  • モニタリング対象の被験者
  • 被験者来院
  • モニタリング対象の被験者来院
  • 来院定義
  • 試験群

EDC ID フィールドの入力

接続が正しく機能するように、CTMS Vault の EDC ID フィールドは、お使いの EDC Vault の治験治験実施国治験実施施設のレコード名と一致する必要があります。データが正しくなるように、EDC Vault と CTMS Vault で同じ名前の治験治験実施国治験実施施設レコードを作成することが推奨されます。

Vault は、CTMS で治験治験実施国治験実施施設のレコードを作成する際に入力した名前に基づいて EDC ID フィールドを入力します。例えば、治験レコードを治験-0123 という名前で作成した場合、EDC ID フィールドは治験-0123 にデフォルト設定されます。次に、治験レコードから米国という名前で治験実施国 レコードを作成した場合、EDC ID フィールドは次のようになります: 治験-0123|米国

以下の表は Vault が EDC ID フィールドをどのように入力するかを示したものです:

オブジェクト治験治験実施国治験実施施設CTMS EDC ID
治験治験-0123 治験-0123
治験実施国治験-0123米国
治験-0123|米国
治験実施国治験-0123カナダ
治験-0123|カナダ
治験実施施設治験-0123米国001
治験-0123|米国|001
治験実施施設治験-0123米国002
治験-0123|米国|002
治験実施施設治験-0123カナダ003
治験-0123|カナダ|003

治験治験実施国または治験実施施設が EDC Vault に存在し、異なる名前である場合、正しい EDC レコード名を参照するよう EDC ID フィールドを手動で更新する必要があります。例えば、治験実施施設レコードの EDC ID フィールドが治験-0123|米国|001 であるものの、お使いの EDC Vault の治験レコード名が治験 123 である場合、お使いの CTMS Vault の治験実施施設レコードの EDC ID フィールドを 治験 123|米国|001 に更新します。さらに、治験 123 を参照するように関連する治験治験実施国のレコードの EDC ID を更新する必要もあります。手動で、または Vault Loader 経由でこのフィールドを更新することができます。

被験者および被験者ステータス

この接続を使用して、被験者の現在のステータスと被験者がお使いの EDC Vault にそのステータスを入力した日付を更新し、CTMS Vault からこのデータを表示することができます。

お使いの CTMS Vault で、被験者レコードの以下の統合済みデータと日付を表示することができます。

  • 治験治験実施国および治験実施施設
  • スクリーニング実施日
  • スクリーニング不合格日
  • 症例登録日
  • 無作為化日
  • 中止日
  • 治療終了日
  • 完了日時
  • EDC ID
  • 被験者 ID
  • 被験者ステータス

ケースブックを開く

設定すると、EDC と CTMS の両方にアクセス権限を持つクロスドメインユーザは、CTMS Vault から直接 EDC で被験者のケースブックを開くことができます。被験者またはモニタリング対象の被験者レコードに進み、アクションメニューからケースブックを開くを選択します。Vault は、EDC 内で関連するケースブックレコードを開きます。

EDC で行えるアクションは権限によって異なります。例えば、CRA はケースブックに進んで EDC Vault でソースデータ検証を行うことができ、データマネージャはケースブックを開いてクエリを作成することができます。EDC での作業に関する詳細は、EDC ヘルプドキュメント

以下の権限があると、CTMS Vault と EDC Vault 全体で統合されたデータで作業することができます。

タイプ権限ラベル制御
セキュリティプロファイルオブジェクト: 被験者: 編集
統合された EDC 日付を表示し、被験者レコードからケースブックを開くアクションを実行する権限。ユーザは EDC Vault のクロスドメインユーザでもある必要があります。
セキュリティプロファイルオブジェクト: モニタリング対象の被験者: 編集
統合された EDC 日付を表示し、モニタリング対象の被験者レコードからケースブックを開くアクションを実行する権限。ユーザは EDC Vault のクロスドメインユーザでもある必要があります。