盲検試験は治験の結果にバイアスがかからないように設計することが業界の一般的な慣習です。盲検試験を実施する際には、盲検化済みと盲検解除済みの 2 つのタイプのコンテンツが存在します。盲検解除済みコンテンツにはランダム化などの治験の機密情報が含まれているため限定されたグループにのみ表示され、治験グループとプラセボグループに割り当てられている被験者が誰かが治験チームにわからないようにします。盲検化済みコンテンツは制限がなく、治験の結果にバイアスがかかるリスクもないためにすべてのユーザに表示されます。
ユーザオブジェクトまたはユーザロール設定オブジェクトレコードを使用して、管理者が盲検解除済み (制限あり) コンテンツを作成できるユーザとできないユーザを定義することができます。ユーザがドキュメントの作成、分類または再分類を行うとき、または治験、治験実施国、または治験実施施設ドキュメントフィールドの値を更新するときに、Vault はユーザが作成できるコンテンツのタイプに基づいてコンテンツ (blinding__v
) ドキュメントフィールドの値を自動的に設定し、組織が安全に、かつ安心して Vault の規制コンテンツを管理できるようにします。
ユーザがドキュメントを作成または更新すると、Vault はまず、ユーザロール設定 (URS) レコードレベルで定義された盲検化の値をチェックして、コンテンツドキュメントフィールドのデフォルト値を決定します。治験固有の URS レコードが存在しない場合、Vault はユーザオブジェクトで定義されたコンテンツの作成フィールドに基づいてコンテンツフィールドを設定します。治験固有の URS レコードにもユーザレコードにも値が定義されていない場合、Vault はコンテンツドキュメントフィールドレベルで定義されているデフォルト値に基づいてコンテンツドキュメントフィールドを設定します。
Note:Vault の設定によっては、コンテンツドキュメントフィールドが盲検化としてラベル付けされる場合があります。
設定概要
Vault でコンテンツドキュメントフィールドの自動入力を有効にするには、一連の手順を完了させる必要があります:
- コンテンツ盲検化フィールドのデフォルト設定機能を有効にします。
- コンテンツ (
blinding__v
) 共有ドキュメントフィールドをすべての該当するドキュメントタイプに追加します。 - 任意の作業: 該当するドキュメントライフサイクル状態で盲検化済みに変更するユーザアクションを設定します。
- 治験固有のユーザロール設定レコード、ユーザオブジェクト レコードのコンテンツの作成フィールド、またはコンテンツドキュメントフィールドに、盲検化の値を設定します。
- 任意の作業: 制限コンテンツではリンクとして送信アクションをユーザが選択できないようにします。
コンテンツ盲検化フィールドのデフォルト設定の有効化
Vault で特定のユーザのコンテンツ (blinding__v
) ドキュメントフィールドが自動入力されるようにするには、管理者 > 設定 > アプリケーション設定に進み、コンテンツ盲検化フィールドのデフォルト設定の有効化チェックボックスを選択します。
この機能を有効化すると、コンテンツ (blinding__v
) フィールドが読み取り専用および任意に設定されます。
コンテンツフィールドの追加
Vault が入力するフィールドのすべてのドキュメントタイプ、サブタイプまたは分類に共有コンテンツフィールド (blinding__v
) を追加します。ユーザがこのタイプのドキュメントの作成、分類または再分類を行うとき、または治験、治験実施国、または施設ドキュメントフィールドの値を更新するときに、Vault は自動的にこのフィールドを設定します。
コンテンツ (blinding__v
) フィールドを未定義ドキュメントタイプに追加して、ユーザがインボックスドキュメントのフィールドを見ることができるようにします。これにより、お使いの Vault でコンテンツフィールドのデフォルト設定が無効になっている場合、ユーザがインボックスドキュメントの作成する際にこのフィールドを手動設定することもできます。
盲検化済みに変更するユーザアクションの設定
盲検解除済みユーザは盲検解除済み (制限) コンテンツと盲検化済み (制限なし) コンテンツの両方を作成できます。Vault でドキュメントが作成されると、コンテンツ (blinding__v)
ドキュメントフィールドが自動的に盲検解除済みに設定されます。盲検解除済みユーザが特定のドキュメントのコンテンツフィールドを盲検解除済みから盲検化済みに更新するために、該当するドキュメントライフサイクル状態に盲検化済みに変更するユーザアクションを設定することができます。以下の手順に従います。
- 管理者 > コンテンツ設定 > ドキュメントライフサイクル > [ライフサイクル] > 状態 > [状態] > ユーザアクションに進み、編集をクリックします。
- ルールの作成をクリックします。
- ドロップダウンから盲検化フィールド値を盲検解除済みから盲検化済みに変更するを選択します。
- ラベルを入力します。盲検化済み (制限なし) に変更するをお勧めします。
- 保存をクリックします。
Note: ユーザがこのアクションにアクセスできるのは、ユーザオブジェクトのユーザロール設定レコードレベルまたはコンテンツの作成フィールドレベルで盲検化済みおよび盲検解除済みの両方の値が設定されている場合のみです。このアクションを実行するためには、それらのドキュメントロールにフィールドの編集権限を含める必要があります。
ユーザ設定オプション
Vault がコンテンツ (blinding__v
) ドキュメントフィールドにどのように入力するかを定義するために使用できるいくつかのユーザ設定オプションがあります。Vault がコンテンツフィールドに入力する場合でも、Vault がコンテンツを適切なユーザグループと共有するために動的アクセス制御を設定する必要があります。
ユーザロール設定および治験担当者経由
ユーザロール設定レコードを設定して治験単位で制限コンテンツと制限なしコンテンツを作成できる権限を持つユーザを定義することができます。ユーザロール設定オブジェクトは、標準盲検化 (blinding__v
) 選択リストを使用する選択リストタイプのフィールドを含めるように設定する必要があります。治験固有のユーザロール設定レコードにこのフィールドを設定すると、その治験、治験実施国
、または治験施設に関連するドキュメントを作成または更新したときに、ユーザのコンテンツ (blinding__v) ドキュメントフィールドの値が設定されます。治験担当者オブジェクトを使用して、ユーザロール設定レコードを一括作成することもできます。
ユーザがドキュメントを作成または更新したときに、Vault は最初に治験チームロールレコードレベルで定義されている盲検化の値をチェックします。治験チームロールレコードが存在しない場合、Vault はユーザオブジェクトのコンテンツの作成フィールドに基づいてコンテンツフィールドを設定します。治験チームロールレコードにもユーザレコードにも値が定義されていない場合、Vault はコンテンツフィールドレベルで定義されているデフォルト値に基づいてコンテンツフィールドを設定します。コンテンツフィールドにデフォルト値を設定するには、管理者 > コンテンツ設定 > ドキュメントフィールド > コンテンツに進みます。
ユーザオブジェクトを使用する場合
ユーザオブジェクトにはコンテンツの作成 (blinding__v
) が存在し、ユーザが Vault 全体で作成できるコンテンツのタイプを管理者が簡単に管理できるようになっています。管理者 > 企業管理者 > ユーザに進み、ユーザレコードを選択します。編集をクリックして、コンテンツの作成フィールドの値を選択します。コンテンツの作成フィールドは標準盲検化選択リストを参照します。
このフィールドを盲検解除済みに設定すると、ユーザが制限コンテンツを作成することができます。Vault はこれらのユーザに対してコンテンツ (blinding__v
) ドキュメントフィールドを盲検解除済みに設定し、治験の実施中は盲検解除済みコンテンツが制限された状態になるようにします。コンテンツの作成フィールドが盲検化済みに設定されている場合にのみ、ユーザは制限なしコンテンツを作成できます。Vault はこれらのユーザのコンテンツ (blinding__v
) フィールドを盲検化済みに設定します。
コンテンツの作成フィールドを盲検化済みおよび盲検解除済みの両方に設定すると、ユーザは制限および制限なしコンテンツの両方を作成することができます。コンテンツドキュメントフィールドは、最初に盲検解除済みにデフォルト設定されます。ユーザは、ドキュメントのアクションメニューから、盲検化済みに変更するオプションを選択することで、コンテンツ (blinding__v
) フィールドを盲検化済みに切り替えることができます。
治験固有のユーザロール設定レコードが存在する場合、ユーザオブジェクトのコンテンツの作成フィールドは無視され、ユーザロール設定の盲検化の値によって、その治験のコンテンツドキュメントフィールドのデフォルト値が決定されます。
コンテンツフィールド経由
コンテンツフィールドにデフォルト値を設定するには、管理者 > コンテンツ設定 > ドキュメントフィールド > コンテンツに進みます。
コンテンツフィールドのデフォルト設定およびドキュメントインボックスの必要度動作
この表は、ドキュメントインボックスのコンテンツフィールドのデフォルト設定に関する設定オプションの効果をリストしています:
コンテンツフィールドのデフォルト設定 | コンテンツフィールドの必要度 | 後で分類する動作 | ドラッグアンドドロップ動作 | Veeva Snap/API動作 |
---|---|---|---|---|
有効 | 必須または任意 | Vault はコンテンツフィールドを表示せず、コンテンツのデフォルト設定ルールに基づいて値をデフォルト設定にします。 | 一括適用フィールドダイアログにコンテンツフィールドは表示されません。コンテンツのデフォルト設定ルールに基づいてコンテンツフィールドはデフォルト設定されます。 | コンテンツのデフォルト設定ルールに基づいてコンテンツフィールドはデフォルト設定されます。 |
無効 | 必須 | Vault はコンテンツフィールドを表示しますが、これはアップロード前に必須となります。 | Vault は、該当する場合は 一括適用フィールド ダイアログにコンテンツフィールドを Vault のデフォルト値で表示しますが、これはアップロード前に必須となります。ユーザは、一括適用フィールドダイアログのアップロードステータスポップアップを非表示にすることはできません。 | デフォルトに設定されている場合、Vault はコンテンツフィールドのデフォルト値を設定します。それ以外の場合は、コンテンツフィールドの値は空白になります。 |
無効 | 任意 | Vault はコンテンツフィールドを表示しますが、これはアップロードに必須ではありません。 | 該当する場合、Vault は Vault のデフォルト値をコンテンツフィールドに表示しますが、これはアップロードに必須ではありません。 | デフォルトに設定されている場合、Vault はコンテンツフィールドのデフォルト値を設定します。それ以外の場合は、コンテンツフィールドの値は空白になります。 |