Medidata CTMS 統合機能は、Veeva Vault と Medidata CTMS との統合を提供します。この機能を使用すると、Medidata CTMS は、eTMF Vault で治験治験実施国治験実施施設および場所データとして機能します。この統合は、オブジェクトデータレコードを同期するほかに、Medidata CTMS から承認済み来院レポートを自動同期することもできます。

統合の仕組み

Medidata CTMS が定期的に Vault に更新を「プッシュ」すると、データとドキュメントの同期が自動で行われます。デフォルトでこの同期は 1 時間に 1 回行われます。Medidata CTMS では手動によるオプションも使用でき、必要な場合には直ちに同期をトリガーすることができます。Vault ユーザは、Vault での変更 (来院レコードまたはオブジェクトデータレコードのドキュメントフィールドに対する変更) は、Medidata CTMS が Vault に新規データをプッシュする際に上書きされる場合があることを理解しておく必要があります。

同期の一環として起こる Vault 側のアクションは、設定時に指定された特定の Vault ユーザに属します。このユーザを「統合ユーザ」と呼びます。

統合設定

Medidata CTMS 統合の初回設定プロセスには、Vault と Medidata CTMS インスタンスで完了させる必要のある手順が含まれます。この手順に関するサポートが必要な場合は、Veeva 営業担当者にお問い合わせいただくことを推奨します。

データレコードの同期を使用する

データレコードの同期では、治験治験実施国治験実施施設および場所オブジェクトのオブジェクトデータレコードを作成または更新することができます。同期中に Vault は、特定のオブジェクトのフィールドセットに Medidata からの詳細を入力します。このフィールドセットはオブジェクトごとに異なります。

治験フィールド

  • 治験番号 (name__v)
  • ステータス (status__v): デフォルトで有効になります
  • 治験ステータス (study_status__v): 一致する選択リスト値が Vault に存在する必要があります
  • 開発の相 (study_phase__v): 一致する選択リスト値が Vault に存在する必要があります
  • 外部 ID (external_id__v): 次回の同期で、CTMS から引用した治験を特定します

治験実施国フィールド

  • 治験実施国 (name__v): 関連するレコードからの名前フィールド名を使用します
  • ステータス: デフォルトで有効になります
  • (country__v): CTMS からのサイトの主たる場所の住所の国の値を使用して、Vault で以下の略称に一致する対応する国レコードを探します
  • 外部 ID (external_id__v): 次回の同期で、CTMS から引用した治験実施国を特定します

治験実施施設フィールド

  • 治験実施施設番号 (name__v)
  • ステータス (status__v): デフォルトで有効になります
  • 場所 (location__v): CTMS の治験実施施設の主たる場所の住所から主住所の値を使用して、Vault で対応する場所レコードを見つけます (外部 ID と一致)。
  • 外部 ID (external_id__v): 次回の同期で、CTMS から引用した治験実施施設を特定します

場所フィールド

  • 場所名 (name__v): CTMS から治験実施施設の主たる場所の値を使用します
  • ステータス: デフォルトで有効になります
  • (country__v): CTMS からサイトの主たる場所の住所の国の値を使用し、オブジェクトの略称フィールドで一致を探しますVault の略称は ISO 3166 アルファ 3 基準に準拠する必要があります。
  • 外部 ID (external_id__v): 次回の同期で、CTMS から引用した場所を特定します

来院レポートの同期について

Vault が来院レポートを同期する場合、レポートは、デフォルトの Medidata CTMS の MVR ライフサイクルで承認済み状態になります。Vault は Medidata のデータを使用して命名規則を適用します: {モニタリング来院タイプ} {来院名} {来院日付}。同期されたラインレポートに適用される特定のドキュメントタイプは、Medidata CTMS のマッピングファイルに定義されます。同期後にこれらのドキュメントには特殊動作は適用されません。来院レポートが Medidata CTMS で更新・再承認された場合、統合は、Vault のドキュメントを自動的にバージョニングし、再承認します。

同期済みドキュメントフィールド

Medidata CTMS 統合は、来院レポートの以下のドキュメントフィールドを同期します:

  • 治験 (study__v)
  • 治験実施国 (study_country__v)
  • 治験実施施設 (site__v)
  • CTMS 外部 ID (ctms_external_id__c)

Medidata CTMS ライフサイクル設定からの MVR

Vault は、標準の Medidata CTMS からの MVR ライフサイクルの修正を妨げることはありませんが、ドキュメント同期が正しく動作するように特定の要素が存在する必要があります:

ライフサイクル詳細ライフサイクル名を mvr_from_medidata_ctms__c とする必要があります。
状態開始状態は改訂中と呼ばれ、この状態は有効である必要があります。
状態承認状態は承認済みと呼ばれ、この状態は有効である必要があります。
状態過去版状態は過去版と呼ばれ、この状態は有効である必要があります。
状態セキュリティ設定: 改訂中所有者ロールには、ドキュメントの表示ドキュメントの編集状態の変更および削除権限が必要です。
状態ユーザアクション: 改訂中ドキュメントを承認済み状態に移動するには、状態変更ユーザアクションルールが存在する必要があります。アクションラベルは承認済みである必要があります。
状態セキュリティ設定: 承認済み所有者ロールには、ドキュメントの表示ドキュメントの編集バージョンおよび削除権限が必要です。
状態エントリアクション: 承認済みエントリアクションルールは、常に新規メジャーバージョンを設定する常に前の承認状態を過去版に設定するおよび常にマイナーバージョンを削除するに設定される必要があります。

ドキュメントタイプ設定

来院レポートにはどのドキュメントタイプでも使用できますが、統合ユーザには、これらのドキュメントタイプにドキュメントの作成権限が付与され、かつ Medidata CTMS からの MVR ライフサイクルが使用されなければいけません。

共有設定

管理者は、新たに作成された来院レポートドキュメントが正しいグループのユーザに使用可能となるように、ドキュメントの初回作成時に Vault によりドキュメントのロールに含まれるよう、デフォルトユーザを設定することができます。