複数施設ドキュメント配布 (MSDD) ワークフローを使用すると、スポンサーはドキュメントワークフロータスクを複数の施設に同時に送信し、ワークフロー全体の完了を追跡し、個別の施設のタスクの完了を追跡できます。

例えば、治験に参加する複数の施設に安全性に関するドキュメントを送信する必要があるとします。各施設につき 1 人の個人にドキュメントを受け取ったことを確認しなければなりません。このワークフローを使用すると、すべての治験参加施設にドキュメントとそれに関連する確認タスクを一度に送信することができます。また、どの施設がタスクを完了し、どの施設がまだ完了していないかを追跡することもできます。

施設への配布

配布ワークフローが使用できる状態になると、通常は施設に送る準備ができた承認済みドキュメントのアクションメニューに施設へ配布という表示が出現します。このアクションのラベルはお使いの Vault によって異なる場合があります。

配布ワークフローを開始するには:

  1. ドキュメントに進みます。
  2. アクションメニューから施設へ配布を選択します。
  3. 治験実施施設ダイアログで、チェックボックスまたはすべて選択を使用して配布に含める施設を選択します。配布するドキュメントに基づいて、Vault が自動的にフィルタを追加します。また、追加の施設を探すために検索を実行したり、フィルタを追加することもできます。5,000 ヶ所以上の施設を選択することはできません。
  4. 次へをクリックして複数施設配布ウィザードを開きます。
  5. 配布リストページで、ドキュメントを配布する施設を確認します。チェックボックスを使用して、選択された施設をさらに絞り込みます。
  6. 次へをクリックして、配布リストを確認します。
  7. 配布の詳細ページで、ロールの選択選択リストを使用して各施設でドキュメントを受け取るロールを選択します。
  8. 任意の作業: コメント追加をクリックして、タスク受領者に対するメッセージまたは指示を追加します。
  9. 任意の作業: タスクの期日を設定します。このオプションは、ワークフロー設定に期日が含まれている場合にのみ表示されます。
  10. 次へをクリックします。
  11. 確認ページが表示されたら、すべての詳細を確認して完了をクリックします。選択した施設にドキュメントが送信されます。

配布が完了すると、いずれかのユーザワークフロータスクが各施設で選択したロールのすべてのユーザに送信されます。施設の 1 人のユーザがタスクを受領し、完了させる必要があります。

複数施設配布ウィザードが完了すると、Vault は配布をキュー処理します。Vault は配布中にエラーが発生した場合にのみ、通知を送信します。例えば、選択した施設で選択したロールに割り当てられているユーザがいない場合は、通知が届きます。通知に記載されているリンクをクリックすると、成功した配布と失敗した配布の両方の情報を含む CSV ドキュメントが開きます。

ドキュメントが別のアクティブなワークフローにある場合、そのドキュメントの配布ワークフローを開始することはできません。

アクティブなワークフローに施設を追加する

場合によっては、ドキュメントを配布した後で、さらに別の施設に送信する必要が生じるかもしれません。配布ワークフローを開始したのと同じ方法で、アクティブな配布ワークフローに施設を追加することができます。ドキュメントのアクションメニューから施設へ配布をクリックし、配布したい施設を選択して、複数施設配布ウィザードに進みます。Vault はアクティブな配布ワークフローの期日とメッセージを使用することにご注意ください。

既存のワークフローですでに配布を行った施設を選択した場合、Vault は複数施設配布ウィザード配布リストページにメッセージを表示し、新しい配布からその施設を除外します。

配布の進捗追跡

配布とそれに関連付けられたワークフロータスクの進捗を追跡するには、いくつかの方法があります。

配布タスクオブジェクト

Vault 設定によっては、カスタムタブに配布タスクオブジェクトが表示される場合があります。複数施設ドキュメント配布ワークフローを開始したときに、選択した各治験実施施設に送信されるいずれかのユーザワークフロータスクの配布タスクオブジェクトを Vault が自動的に作成します。また、Vault は各施設の各ワークフロータスクに受領者に対して 1 つの配布タスク受領者オブジェクトレコードを作成します。配布タスクオブジェクトからドリルダウンして、配布の配布タスク受領者を確認することができます。

レポート

設定すると、アクティビティと受領者がある配布タイプのレポートを作成および実行して、アクティブな配布のステータスを追跡することができます。以下のプロンプトに進むと、特定の配布を追跡できます:

  • 配布タスク > ドキュメントバージョン: 特定のドキュメントバージョンの配布のステータスを追跡します
  • 配布タスク > 治験: 特定の治験の配布のステータスを追跡します
  • 配布タスク > 治験実施国: 特定の治験実施国の配布のステータスを追跡します
  • 配布タスク > 治験実施施設: 特定の治験実施施設の配布のステータスを追跡します
  • 配布タスク受領者 > 受領者: 特定の受領者の配布のステータスを追跡します

ワークフロータイムラインビュー

ドキュメントから、タイムラインビューを開いてドキュメントのすべてのワークフロータスクのステータスを確認することができます。また、タイムラインビューまたはアクションメニューのワークフロー履歴レポートの表示リンクをクリックしても、この情報を確認することができます。

ドキュメントの配布と配布に関するレポート機能の有無は以下の権限によって決まります:

タイプ権限ラベル説明
セキュリティプロファイルオブジェクト : 治験実施施設: 読み取り配布する施設を選択する権限
セキュリティプロファイルオブジェクト : アプリケーションロール : 読み取り配布を受け取るロールを選択する権限
セキュリティプロファイルオブジェクト : アクティビティ : 読み取り配布のステータスを追跡する権限
セキュリティプロファイルアプリケーション: ワークフロー: 開始ドキュメントを施設に送信する権限